ゼミでは「中小企業経営」を学んでいますが、中小企業経営は精神論ばかりではうまくいきません。とくに起業や事業承継に悩む学生の皆さんにとって、経営環境の把握がとても大切です。「ローカル」と「グローバル」といった二つのキーワードから、 事業の可能性や地域の未来を考えていきます。また課外活動として、現場訪問や経営者へのインタビューも取り入れています。皆さんにとって仕事や人生を考えるきっかけになれたらと思います。 今年度では『日本の中小企業』（関満博著）と『ローカル志向の時代 働き方、産業、経済を考えるヒント』（松永桂子著）の２冊を中心に輪読しています。いずれも理論というより、豊富な事例を通して学べることが特徴です。これからの時代をどう生きるかについて、示唆に富んだ内容が多いです。『日本の中小企業』は、大学院時代師匠の著作であり、国際的に技術力の高さが評価されながらなぜ中小企業の継承や存続が難しいかについて事例を交えながら説明しています。今後、起業や事業承継、あるいはコミニティビジネスを立ち上げて社会貢献に志したい若者にとっておすすめの一冊です。『ローカル志向の時代 働き方、産業、経済を考えるヒント』は、地方に増える元気な若手起業家の事例に焦点を当てて、彼らの考え方や成功するための要素を議論しています。コロナ危機の中で様々な不自由が多いですが、私たちに働き方や人生の目標について改めて考えるきっかけも与えてくれました。これらのことを考えるにあたって若手起業家たちの事例がきっと参考になることも多いと思います。